私立の学習費、公立の3.38倍 1200万円以上の差

 

幼稚園~高校がすべて私立だと、授業料や塾代などの学習費は、すべて公立の場合の3・38倍――。

そんな実態が、文部科学省が24日に発表した2014年度の調査でわかった。私立と公立の差は、比較できる06年度以降で最大だった10年度と並んだ。


 「子供の学習費調査」は1994年度に始まり、2年に1度発表される。今回は幼稚園~高校(全日制)の一部計1140校、2万9060人を対象に実施した。


 15年間すべて私立に通った場合の学習費は約1770万円。すべて公立だと約523万円で、1200万円以上の開きがあった。差は3・38倍で、前回12年度を0・02ポイント上回った。


 1年間に必要だった授業料や修学旅行費、通学費、図書費、学習塾費、その他学校外活動の月謝などの学年別平均を単純合計した。

 学校別の学年合計は、公立は、幼稚園が約63万円、小学校が約192万円、中学が約144万円、高校が約123万円。


 私立は、幼稚園は約149万円、小学校は約922万円、中学は約402万円、高校は約297万円。

 年間の平均額は、初めて学習塾費(約20・5万円)が20万円を超えた公立中(約48・2万円)と、私立小(約153・6万円)、私立中(約133・9万円)が、それぞれ過去最高だった。


 文科省は「通塾率が高まったというよりは、物価が上がって単価が高まった影響ではないか」(担当者)と説明する。(高浜行人)

朝日新聞