ゴールデンベビーブームの芸能界…増え続ける2世の最近の傾向!





10月半ばから11月半ばにかけては、私立の幼稚園や小学校界隈を張り込む芸能マスコミが増える。

そのワケは、面接や試験、合否発表後の手続きなどで、芸能人パパやママの姿が多数確認できるからだ。



芸能界は“お受験”ブームが続いている


今年のみならず、恵まれた環境で子供を育てられる芸能界だけは出産ブーム。その流れにのった“お受験”もずっとブームで、有名私立幼稚園や小学校、流行りのアメリカンスクール、さらに「芸能人一家にやさしい」と言われる学校に芸能人が群がっている。

女性週刊誌や写真週刊誌で頻繁に取りざたされるのは渋谷にある幼稚園から大学までの一貫校、A校だ。

ここには歌舞伎役者、女優、お笑いタレント、アスリートから在京局アナウンサーまで、バザーや運動会といったイベントでは、そうした芸能人・有名人パパやママたちが一般のパパママに混ざって働く様子が見られる。

また、芸能人・有名人パパが運動会で大活躍する(させられている?)のは世田谷にあるW校。この学校も本当に芸能人・有名人の子息が多く、同じ世田谷にあるS校より「ハードルが低い」し、「入った後が、そこまでタイヘンではない」と評判である。

マスコミでは、そうした幼稚園や小学校に子供を通わせるパパやママばかりに注目が集まるが、実際、通っている子供たちにとっては、「〇〇くんのパパ」「〇〇ちゃんのママ」だし、それがどんなに大物であっても、会話の中では呼び捨てだ。

以前、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で草刈正雄の長女・紅蘭が、「石橋貴明」「浜ちゃん」(浜田雅功)などと、同級生のパパのエピソードを呼び捨てで紹介し、明石家さんまを青ざめさせていたことがあった。が、校内にフツーに有名人が出入りしている環境を幼少期から見ていれば、そんなふうになってしまうのだろうと納得させられた。



両親とは他ジャンルで活躍


そんな折、女性週刊誌のグラビアで「IMALUはもう古い」という見出しを見つけた。言わずと知れた、件の明石家さんまと大竹しのぶの2世、IMALUのことだが、記事では、「さらに知られていない2世がたくさん出てきている」と書いている。

たとえば映画『グラスホッパー』に出演している村上淳と離婚したUAの息子、村上虹郎は、昨年、映画『2つ目の窓』でデビューし、今年、ドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(フジテレビ系)に抜擢され話題となった。

山口智充と中華調味料のCMに出演し、顔を売った杉咲花は、来春のNHK朝ドラ『とと姉ちゃん』にも出演する話題の若手女優だが、両親は、元「レベッカ」のシャケこと小暮武彦と歌手のチエ・カジウラだ。

お笑いでは、「ますだおかだ」の岡田圭右の娘、岡田結実や、「博多華丸大吉」の華丸の娘で「さくら学院」の岡崎百々子も話題。

さらに驚いたのは、あの大原櫻子が日本テレビ系バラエティー番組の人気ナレーター、林田尚親さんの娘だったことである。

確かに、「どんどん出て来る」芸能人の2世だが、両親とは他ジャンルの芸能活動をする2世というのが最近のトレンドと言えるのではないだろうか。

それはなぜなのか?

私には、芸能人・有名人の子息だらけの学校に秘密があるように思えてならない。俳優や歌手の家に育ち、さらに他ジャンルの親を持つ同級生と学校で日々を暮らしていれば、当然のことながら、ありとあらゆる世界の一線で活躍している人の話を見聞きすることになるだろう。

実際、子息同士が校内でバンドを組んでみたり、学芸会でデュエットをしたりした延長線で、芸能活動のとっかかりをつかんだというようなケースはよく聞く。

実は最近、そうした私立一貫校出身のアナウンサーが増えているのだが、彼らは俳優やアスリート、モデル、ミュージシャンなどを両親に持つ者たちである。

2世として生まれたこともさることながら、芸能人・有名人の子息がたくさん通う学校で幼少時代から青春時代を過ごした経験が、彼らに与える影響は計り知れない。



芸能人の子息だらけになる可能性も!?



今年、芸能界は、某スポーツ紙が「ゴールデンベビーブーム」と名付けるほど、大物パパママが誕生している。

3年後には、3年保育の幼稚園への“お受験”がスタートするし、私立の有名幼稚園では、“仕事内容”という名の“経済状況”が重要な合否ポイントとも言われているので、パパママたちはいまから張り切っているに違いない。

とはいえ、受け入れる側の幼稚園や小学校が、このままでは本当に芸能人だらけにもなりかねない。また、そうした事態にOGやOBから“お叱り”の声が入っているという話も聞いているので、これまでのように、「芸能人にやさしい」校風を貫き通すわけにもいかないかもしれない。

いずれにせよ、このような私立の一貫校から、あらゆるジャンルの2世が誕生する傾向はしばらくは変わらないだろう。

有名私立小の合否は今週早々に。幼稚園の合否は半ばと言われている。どんな大物の子息が今年はどこに合格したのやら。女性週刊誌、写真週刊誌を中心に動きが活発になっている。



山田美保子 放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー

1957年、東京生まれ。初等部から16年間、青山学院に学ぶ。青山学院大学文学部日本文学科卒業後、TBSラジオ954キャスタードライバー、リポーターを経て、放送作家・コラムニストになる。日本テレビ系「踊る!さんま御殿!!」、フジテレビ系「ノンストップ!」、「正直女子さんぽ」などの構成のほか、「女性セブン」「サンデー毎日」「デイリースポーツ」「日経MJ」「朝日新聞デジタル」「25ans」などでコラムを連載。「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「ドデスカ!」(名古屋テレビ)などに、コメンテーターとしてレギュラー出演している。



2015.11.10