西武文理、元学園長を懲戒解雇 不適切支出5千万円超に


埼玉県で西武学園文理小学校などを運営する学校法人「文理佐藤学園」で学園長や小学校長を務めた佐藤仁美氏(44)が不適切な支出をしていた問題で、学園は26日、支出額が最終的に計5617万円に上った、との調査結果を発表した。「私的流用を疑わせるものが多数あった」として、仁美氏は今月12日の理事会で懲戒解雇された。

 学園は8月に外部からの指摘を受けて調査委員会を設置。9月上旬までの調査で、仁美氏は「学園業務の一環」として9回海外出張し、旅費や通訳費などに使った経費約7154万円のうち約1482万円を不適切な支出としていた。

 調査委がその後も期間を広げて調べたところ、2009年~15年に米国や英国などに20回出張し、使った経費は1億1531万円に上った。法人のクレジットカードの明細書などから、学園業務に関係ない不適切な支出額が計5617万円だった、と結論づけた。

 仁美氏は役職の辞任届を出し一部を弁済したが、学園は「学内秩序を乱した」として懲戒解雇した。


朝日新聞


西武学園文理:学園長流用は5600万円 懲戒解雇に



 西武学園文理小学校(埼玉県狭山市)の校長で、同校を経営する学校法人文理佐藤学園の学園長を兼務していた佐藤仁美氏(44)が学園費を私的流用していた問題で、学園は26日、記者会見を開き、不正総額は約5600万円に上ったと発表した。体調不良で入院中として会見に同席しなかった佐藤氏は、学園側の調査に「私的流用はしていません」と否定しているという。


 会見では佐藤氏の父で学園理事長の英樹氏(80)が、仁美氏を懲戒解雇にしたと発表し「教育者として我が子の教育が至らず、申し訳なかった」と謝罪。自らも理事長の給与を2年間5割減額し、母で常務理事だった富美子氏(72)は諭旨解雇とすることを決めたと明かした。


 学園は毎日新聞の報道を受けて9月に会見し、佐藤氏の流用額は2012年7月から約2年半で約1500万円に上ると発表。その後、佐藤氏が学園長に就任した09年4月までさかのぼって調査し、海外出張などに関わる経費1億1531万3614円のうち、5617万1925円を不正支出していたと結論付けた。佐藤氏は、私的流用を否定しながらも、これまでに約1500万円を返却したという。


毎日新聞


西武学園文理の文理佐藤学園、佐藤仁美学園長を懲戒解雇 5千万円以上を私的流用


西武学園文理小学校(埼玉県狭山市)など複数の学校を運営する学校法人文理佐藤学園(同県所沢市)の佐藤仁美学園長(44)が、海外出張費などを私的に流用していた問題で、不正が判明した9月には約1500万円の流用が明らかになっていたが、その後の調査で流用額はさらに膨らみ、5千万円以上に上ることが25日までに分かった。毎日新聞などが伝えた。


同紙によると、佐藤氏は既に9月、西武学園文理小学校の校長と文理佐藤学園の学園長を懲戒解雇されていたことも分かったという。現在は体調不良で入院しているという。文理佐藤学園は佐藤氏に流用分の返納などを求めており、返納の有無や詳細は26日に記者会見を開き説明するとしている。

9月の発表時には、佐藤氏は昨年11月、西武学園文理小学校の約1週間の米国修学旅行に合流するなどして、計約1カ月にわたり米国に滞在。ディズニーワールドやラスベガスのカジノ、サンフランシスコのヨセミテ国立公園などを訪れるなどしていた。また、今年2月には研修先開拓の名目で、約600万円をかけてミュージカル鑑賞などしていたとされている。


文理佐藤学園は、佐藤氏の両親である佐藤英樹・富美子夫妻が、1966年に西武栄養料理学院を創立したのが始まり。現在は、西武学園文理小学校、西武学園文理中学・高等学校、西武文理大学、西武学園医学技術専門学校、西武文理大学附属調理師専門学校を運営している。

文理佐藤学園の理事長である英樹氏は、2009年に学園長の座を長女の仁美氏に譲っていた。9月に仁美氏の不正を発表した際にはお詫び文で、「この問題を厳粛に受け止め、改めて法令及び学内諸規程に基づく規律のある学園経営の徹底を図ると共に、学園改革委員会を立ち上げ、旧態にとらわれない新しい学園を作り上げることで皆様の信頼の回復に努めてまいる所存であります」などとしていた。